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西郷さんが最後に過ごした「西郷隆盛洞窟」。小さな穴のエピソード。

ハイこんにちは。茶一平 @whi2 です。

西郷さんの最後に関わる場所として外せない場所。
西郷さんが最後に過ごした「西郷隆盛洞窟」。

小さな場所なのでスグ見終わる場所。
でもココにもたくさんの物語があります。

というわけで「西郷隆盛洞窟」についてお話しますね。

ポイントは3つです。

  1. 西郷さんは洞窟で死んでません
  2. 洞窟はぜんぶで11個あった
  3. 西郷さんには死んでほしくなかった

西郷隆盛洞窟のかんたんな説明

3つのお話の前に、西郷隆盛洞窟についてかんたんにお伝えしますね。

西南戦争の終盤。丁丑役の城山籠城戦。
9月1日に鹿児島まで撤退して鹿児島市の城山に立てこもります

さいしょは城山の頂上を本拠地としていましたが、
なんどか場所を移して最終的にこの洞窟を住処としました。

場所は城山の中腹。ここを掘って洞窟にしたんです。

9月19日から最後までココに住みました。

大柄の西郷さんが住むには小さい穴。ここで9月24日早朝まで過ごしたんです。

西郷さんは囲碁はしていません

ちなみに戦争後から30年後。1908年1月に記念碑が建てられてます。

この記念碑の裏には西郷さんが詠んだと言われる詩が書かれていました。

百戦無功半歳間 首邸幸得返家山
笑儂向死如仙客 尽日洞中棋響閑

洞窟で囲碁をしていた様子の詩です。

しかし後になって西郷さんの詩ではないと発覚。
じつは作者は山口出身の杉孫七郎さんでした。
記念碑からは削りとられることになります。

ちなみに普段から西郷さんは囲碁をしていなくって。
囲碁が得意なのは大久保利通さん。西郷さんの大事な友人です。

西郷さんは洞窟では死んでません

たまに勘違いされますけど、西郷さんは洞窟で亡くなっていません

9月24日の4時から始まった政府側の最終攻撃。
攻撃がはじまったあと洞窟を脱出して、仲間といっしょに岩崎谷の先を目指します。

山の上から銃弾が降り注ぐなか突き進む西郷さん達。
銃弾で倒れていく者、切腹して果てる者。

辺見十郎太さんからは切腹を勧められましたが

「岩崎谷の本道に出て死ぬ」

と西郷さんは前進を続けます

しかし途中で流れ弾にあたり動けなくなり、
同行していた別府晋介さんに介錯(トドメ)を頼んでこの世を去りました

場所は島津応吉さんの家の前。西郷隆盛終焉の地の少し手前です。

西郷隆盛終焉ついてはコチラもご覧ください。

「西郷隆盛終焉の地」で西郷さんは死んでません。じゃあドコで?西郷さんは「西郷隆盛終焉の地」じゃなくて、少し手前で亡くなってます。...

全部で11の洞窟があった

西郷さんは最後まで洞窟で過ごしました。
では他の人はどうだったのでしょう?

じつは洞窟は全部で11個あったんです。
西郷さんの他に仲間達が住んでたり、施設があったりしました。

この図のオリジナルは1930年に林吉彦さんが書いた「鹿児島之史蹟」に掲載されてます。
今回は2003年発行の「敬天愛人第二十一号」より転載しています。

西郷さんの洞窟が一番上にあって、その下に10個の洞窟が続きます。

内訳は

  1. 西郷隆盛
  2. 辺見十郎太
  3. 桂久武、新納軍八、弾薬製造所
  4. 国分十助
  5. 桐野利秋、坂田緒潔、軍議所
  6. 別府晋介
  7. 村田新八、ほか数名
  8. 伊東直二、神宮司助左エ門、別府九郎
  9. 野村忍介
  10. 才蔵
  11. 大 小荷駄(コニダ)本部

住居の他に、会議所や弾薬製造所もあったんですよね。

でも現在は西郷さんの洞窟しか残っていません

西郷さんには死んでほしくなかった

故郷の鹿児島で死ぬと決めていたであろう西郷さん達。
でも「西郷さんだけは生きてほしい」って人もいました。

政府軍と話し合って西郷さんだけは助けてもらおう。自分たちは死んで良い。

9月10日ごろ。
この頃から「西郷さんは助けたい。降伏しないか?」って意見がではじめました。

中心になったのは坂田緒潔さん、辺見十郎太さん、河野圭一郎さん。

しかし桐野利秋さんは大反対
西郷さんも「これまで死んでしまった人たちはどうなる?」と反対。

坂田緒潔さんは諦めきれず単独で政府軍へ会いに行こうとしましたけれど
桐野利秋さんに見つかって連れ戻されます。

 

そして9月22日。
辺見十郎太さん、河野圭一郎さんが中心になって提案します。

このまま犯罪者あつかいされて死ぬのはたまらない。
政府に今回の意図と説明したい。

今回の戦いは「政府による西郷さん暗殺」のことがバレたのがきっかけ。
だから一方的に犯罪者あつかいは許せない、ってことです。

これに桐野利秋さんは黙認。西郷さんは笑って許してくれました。

河野圭一郎さんと山野田一輔さんと城山をでて
政府軍の河村参軍へ面会にいきます。

もちろん本音は「西郷さんを助けてほしい」です。

今回の戦いの真意を話す河野さんたち。
しかし河村参軍からは一蹴され、最後の通告を受けます。

「9月24日に総攻撃をおこなう」
「話し合いなら西郷さんと直接する。ただし5時までに西郷さんが降伏したら」

河野圭一郎さんは政府軍に残され、山野田一輔さんだけ城山に戻ります。

政府軍での出来事を伝えると西郷さんは一言。

「答える必要はない」

 

次の日の9月23日。
西郷さん達は最後に宴会を開きます。

酒を飲み、さわぎ、琵琶をひき、歌う。
仲間達と最後の別れを楽しみ。

そして9月24日、西郷さんたちは全滅しました。

小さな場所の物語

さて、こんかい3つお話しました。

小さな何もない場所ですけど、喜怒哀楽のつまった大事な場所です。

ぜひ現地でいろいろと思いをはせて、いろいろ感じ取っていただけたら嬉しいです。