こんにちは。茶一平 @whi2 です。
ある本に
「丸に十の字の帆が見えた」って間違ってない?
って指摘があったので。
おはら節研究家として反論しておきます。
「間違ってないよ」
「おはら節の『丸に十の字の帆が見えた』っておかしくね?」ってツッコミしてる本発見。1600年前後の歌って考えればおかしく無いんよね。 1995年「和船I」より。 #Kagoshima pic.twitter.com/0NcuyD1GuK
— 茶一平(CHA-IPPEI) (@whi2) August 8, 2018
書籍:和船 I ものと人間の文化史76-I
著者:石井 謙治
発行:1995年7月7日
20年以上前の本なので反論も野暮かもだけど。
指摘されてる内容
- 「丸に十の字の帆」は「帆印」である
- 薩摩藩の帆印は「丸に十の字の帆」ではない(*1)
- そのため歌詞は誤り
*1 根拠として江戸時代刊行の「諸国御大名方船印」を挙げてます。
「諸国御大名方船印」って本が存在してるか不明です。
似たような本で1750年前後の「諸藩御船印之圖」や
1770年前後の「諸國大名帆印船印」があります。
これらで薩摩の帆印は確認できます。
発行年はこちら参照。
諸国大名船印概説-和船図譜 Historical Japanese ships by illustrations
指摘への反論
- 「丸に十の字の帆」の歌は1600年ごろの歌でもある(*1)
- 当時の船印は「丸に十の字」では無い、という根拠がない(*2)
- そのため歌詞は誤りではない
*1 1958年「さんぎし 11号 民謡解題その1」を読むと
1598年の「泗川の戦い」から帰還した歌であると解釈できる。
*2 1600年前後ってややこしくて。
「丸に十の字」の家紋が使われたのが1600年より少し前。
「帆印」が普及しだしたのも1600年前後。
ひとことで言うと
もっと昔の歌だから間違ってないよ
ってことです。ひょっとしたら
『丸に十の字の帆』って歌詞の方がカッコよくね?
ってノリかもしれないけどね!鹿児島人だし!!