おはら節

Q.おはら節の「丸に十の字の帆が見えた」って歌詞間違ってる? A.間違ってないです

こんにちは。茶一平 @whi2 です。

ある本に

「丸に十の字の帆が見えた」って間違ってない?

って指摘があったので。
おはら節研究家として反論しておきます。

「間違ってないよ」

書籍:和船 I  ものと人間の文化史76-I
著者:石井 謙治
発行:1995年7月7日

20年以上前の本なので反論も野暮かもだけど。

指摘されてる内容

  • 「丸に十の字の帆」は「帆印」である
  • 薩摩藩の帆印は「丸に十の字の帆」ではない(*1)
  • そのため歌詞は誤り

*1 根拠として江戸時代刊行の「諸国御大名方船印」を挙げてます。
「諸国御大名方船印」って本が存在してるか不明です。

似たような本で1750年前後の「諸藩御船印之圖」や
1770年前後の「諸國大名帆印船印」があります。
これらで薩摩の帆印は確認できます。

発行年はこちら参照。
諸国大名船印概説-和船図譜 Historical Japanese ships by illustrations

指摘への反論

  • 「丸に十の字の帆」の歌は1600年ごろの歌でもある(*1)
  • 当時の船印は「丸に十の字」では無い、という根拠がない(*2)
  • そのため歌詞は誤りではない

*1 1958年「さんぎし 11号 民謡解題その1」を読むと
1598年の「泗川の戦い」から帰還した歌であると解釈できる。

*2 1600年前後ってややこしくて。
「丸に十の字」の家紋が使われたのが1600年より少し前。
「帆印」が普及しだしたのも1600年前後。

ひとことで言うと

もっと昔の歌だから間違ってないよ

ってことです。ひょっとしたら

『丸に十の字の帆』って歌詞の方がカッコよくね?

ってノリかもしれないけどね!鹿児島人だし!!